不安や恐怖等から来る、犬の”食”への影響とは
2025.01.18
今回はイヌの心身症として、脳や神経等に悪影響を与え
その行動(ここでは食事)を混乱させる状況を
紹介していた文献を見つけましたのでここでご紹介いたします。
著者が獣医学生だった時、最初に見た症例として
ラブラドール犬の情緒不安定であったそうで、
飼い主が夏休みでヨーロッパに行っている間
著者のいた動物病院に預けられていたそうです。
飼い主と離れ離れになってから意気消沈し始め
どんな食べ物も拒絶したと言います。
このラブラドール犬は神経性食欲喪失が続き、
急速に痩せて行ったそうです。
何かの疾患を疑い、あらゆる臨床検査をするものの
異変は認められず、状態はますます悪化したとの事。
そこで、かわいそうに思った著書の妻が
犬小屋から連れ出し台所で”温かいミルク”を飲ませてやると
劇的に好転し、2〜3日の内に食欲を取り戻したそうです。
かたや、別の犬では時として不安を打ち消すため
「やけ喰い」をすることがあるそうです。
(イヌのこころがわかる本: 動物行動学の視点から より参照)
犬の立場になってみれば、そりゃそうなるなー。と思ってしまう話ではあると思います。
人間の言葉がわからない犬とすれば、もう飼い主に会えなくなるんじゃないか。と
不安に思うのも無理は無いですね。
”温かいミルク”の部分は、状況は全く違いますが刑事ドラマで取り調べ中に出て来る
犯人へ届けられた”かつ丼”に思えてきたのは自分だけでしょうか?
また、食べなくなる話はよく聞く話ではあったのですが、”やけ喰い”の話は初耳でした。
総じて、人間も同じくどちらの状況にもなる場合があるなぁ。と思った記事内容でした。
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