トウゴマの種子から採取する油、昔は犬や猫の虫下しの為に使われていた!?
2024.06.18
このコーナーでご紹介する話題は数々の文献を参照にしているのですが、
今回はフランスの作家コレットと言う方が書いた”犬猫の会話七つ”と言う
当時の”犬、猫から見た目線”で物語が描かれている珍しい書物です。
その書籍を日本語訳した昭和初期に発刊された文献からのエピソードです。
ある家庭で飼われていたキキイ(猫)とトビイ(犬)の日常会話の中で
ある”不幸”が突然やってくると言う。
猫のキキイに、お前も知っているはずだ!
彼女(犬たちからの飼い主の呼び名)が不意にやってきて
彼女の手には黄色の瓶があり、”ひまし油”と言うやつだ。と言います。
彼女(飼い主)は乱暴に力強い膝でトビイを締め付けて、
食いしばった歯を引き開ける。
そこでキキイ(猫)が、もっと食いしばってやればいいのに。
と言うと、トビイ(犬)は
彼女(飼い主)にけがをさせるのが怖いのだ。と言い、
そして口の中ではねばねばとした怪しげな味が舌の上でし、
俺は息がつまる。ともらす。
その後、胃袋の中でぐるぐる音を立てるのを聞きながら、
恥を隠しに庭へ急ぐ。
何故急ぐのかと言うのは、(便意が!?)間に合わないからだ。との事。
(コレット著 犬猫の会話七つ 深尾須磨子 訳 より参照)
今現在、”ひまし油”をネット検索等してみると、犬に対しては
ひまし油をガーゼ等に湿らせて患部に当てて剥がれない様固定し、
そこを保湿すると”ひまし油湿布”なるものが出来る。とあります。
効能等は是非皆様ご自身でお確かめくださいませ。
その検索内容のほとんどで”飲用”のたぐいはありませんでした。
ひまし油の事について掘り下げてみると、”下剤”としての効能もあり
この文献の内容としては虫下し用として普段より定期的に犬猫に飲ませていたのだろうと推測します。
想像はつくものの、当時(こちらの文献は1904年(明治36年)フランス原作)の時代背景等を
犬猫の目線を通じて描かれていたこの書物、ある意味とても新鮮に感じました。
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