終戦後における日本の食糧事情と飼い犬についてのお話
2024.01.19
日本は終戦後(1945〜)、数年にわたる食料難において
犬が食べる食糧について重大問題になってきたそうです。
著者の家だけの問題では無く、以前まであれほど見かけた犬が、
東京の街から殆ど姿を消してしまった。
そこえ行くと猫は多い。
家畜とは云(い)え、彼らは野生を保有していたので、
人間から見捨てられても、結構、自給自足でやって行けたのである。
勿論、猫といえども、数はたしかに減少した。
猫が減少して、鼠は我が世の春だったかと言うとそうは行かなかったそうです。
人間の食料難時代の為、台所に一粒の米も落ちていず、
大根の枯れ葉まで残さないという風だったから、
さすがの鼠族も閉口したらしい。
やがて危機は底をつき、金さえ出せば銀めしが、いくらでも喰えるという時が来た。
そこで時々発作的に、主食の取り締まりや、野菜生魚類の取り締まりを行うが、
これは単に値段を吊り上げるだけの効果しかなかった。
その取り締まり前に、各家庭で主食なり野菜なりを買いだめする。
それで家の中に山と積まれて置きっぱなしとなる。
即ち、鼠族にとっては、一大豪華宴が用意される訳だ。
1946年の夏ごろには、東京の各家庭も
鼠族の跳梁跋扈(チョウリョウバッコ)に往生した。
(私の動物記 より参照)
前回に引き続き、徳川 夢声(とくがわ むせい)さんの著書内でのエピソードとなっております。
戦後の食糧難で犬を手放す家庭が多く出た。と言うエピソード。
本質は少し違いますが、
(江戸時代(1603年 〜 1868年)、生類憐みの令の裏で・・・。))の内容と被りますね。
その後、著者の家庭では鼠を駆除してもらうために猫を飼いだす。と言うエピソードでした。
同じ様な家庭が非常に多かったのでは。と思う文献内容でした。
今の時代と照らし合わすとなかなか想像が付かないエピソードですし、
食べ物のありがたさを改めて実感する内容でした。
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