その昔、ある時期になると飲まず食わずの放浪者のようになる家庭犬がいた!?
2023.11.30
戦前の一般家庭においてあったといわれているお話を
こちらにてご紹介いたします。
犬は放し飼いににすべきか、あるいは一定の柵内にいれて飼うべきか、
と言う事については、色々の議論がある。と言う話題の中で、
犬自身の本質から考えて見ると、無論拘束をしないで、
自由に外へ(この時代の解釈として、家の外。と勝手に解釈)も
歩かれるようにした方がいいのであるが、
我々は犬を家畜として、家庭犬として、さらに家族の一員として
飼うのであるから、こういう見地から見れば、
放飼には反対すべき多くの理由がある。と述べており、
まずその性根がいやしくなることである。
これは犬を訓練し、その頭脳を発達向上させる上から、
余程の弊害がある。
拾い食いをすることである。犬は少し位の腐敗物なら、
平気で食べるので、その為に胃腸を悪くするおそれがある。
それから他人に馴(な)れやすくなってくる。
そして、交尾期の牝(めす)犬などを見ると、三日も四日、
飲まず食わずで、ついて歩き、家に帰って来ない。
これなどは、飼い主の最も手こずる事である。とありました。
最終的に、出来る事ならば、庭の中だけで飼うようにして
門から外へ出る場合には、必ず家人が鎖でつないで
出してやるようにしたいものである。と締めくくられていました。
(犬の知識 より参照)
どうしても現在の状況と照らし合わせて見てしまう観点から
一番最後に述べられている事は、”それは当然でしょー。”となるんですが、
当時の状況(この書物は昭和9年発行)から、この見解を述べるというのは
まだ少数派だったのでは?と思わされてしまいます。
また、三日も四日も行方不明になってしまったとなると、今では様々な方法を駆使して
飼い主のもとへ戻ってきたり出来る可能性は高いと思うのですが、
当時の状況(電話等も無い)を考えると、我が家に戻って来てもらうのを
待つしかない。と言う厳しい状態だったんだろうなぁ。と考えさせられました。
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