その昔、犬は普通に食材の〇〇を頼まれていた!?
2023.11.08
犬は己に物を咥えて運ぶことが出来る事を知っています。
その性質を利用した特技!?を訓練する方法が
昭和初期の文献に記載されていましたので、ここで紹介いたします。
上記で述べたように、物を咥えて運ぶ訓練を受けた後
その技術を応用して犬に”お使い”の方法を教えるには。とあります。
お使いに使用するものは、小型のバスケットか風呂敷包みが良いでしょう。との事。
仮に八百屋へお使いをすることを教えるとすれば、
バスケットなり風呂敷包みなりの中に
品書きを入れて、犬に咥えさせて、
まずは飼い主と一緒に八百屋へゆくのです。
八百屋へ着いたならば、先方に話して犬から包みを取って貰うようにします。
そして包みの中の品書きによって、品物を入れて犬に渡して貰う様にするのです。
この場合飼い主が犬のそばにいて、その時々これに適当な命令を下してやるのです。
そしてまた一緒に運ばして帰るのです。
その往復の道中で必ず幾度も八百屋へゆくんだと言う事を「八百屋へ」と言う具合に
言って聞かせるのです。
それを幾度か繰り返しますと、そのバスケットなり、風呂敷包みを見せて
「八百屋へ」と命令すると一人でお使いに行ってくるようになるそうです。
八百屋が出来たなら、肉屋とか、お菓子屋とか、徐々に教え込むのです。
この場合に絶対必要な事は八百屋、肉屋、菓子屋と言う具合に、
使い先の違う毎に、その包みとかバスケットを専用に決めておくこと。とありました。
著者は何度かお使いに往復している犬を見たことがあるそうで、
一生懸命脇見もしないで、包みを咥えて運んでいます。
その途中に意地の悪い、野良犬でもいると実に困ったような表情をして
ゴマゴマしています。如何にして早く主人のもとへ無事に役目を果たして
帰ろうかと言う事の熱心さが見て取れるものであります。
犬にとっては自分の敬愛する主人に褒められること、
その満足した様子を見る事が、何よりの楽しみらしく見られます。
と、締めくくられていました。
(犬の心理と家庭訓練法 より参照)
今の時代では到底考えられない、”犬のお使い”の訓練方法が記載されていました。
当然、リード等も無しで行っていたと言う事を考えると、
当時の日常風景は言い方(捉え方)を変えれば
犬が比較的自由に動く事が出来る世の中だったと言う事ですね。
勿論、飼い犬でそうする為には家庭内での様々な訓練が必要になる訳で、、、
現在では見る事が無い様な家庭内での訓練方法がたくさん記載された興味深い文献でした。
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